一般社団法人Colabo代表・仁藤夢乃氏「支援を必要とする女性がいる」裁判での弁論(2024年1月23日)

一般社団法人Colabo 代表・仁藤夢乃氏の裁判

2024年1月23日14時から、原告である一般社団法人Colabo代表である仁藤夢乃氏の裁判が行われました。被告の水原清晃氏は出廷しなかったため、原告の仁藤氏に対する尋問のみとなりました。裁判傍聴の様子をお届けします。

事件の概要

被告の水原氏は、「暇空茜」というアカウントで2022年9月から10月にかけ、自らのTwitterやnote、YouTubeを通じて、Colaboの活動について「10代の女の子をタコ部屋に住まわせ、生活保護を受給させて、毎月一人65,000円を徴収している」「貧困ビジネス」といった情報を発信しました。

虐待や性搾取の被害女性らを支援する一般社団法人「Colabo(コラボ)」は、同団体の活動を誹謗中傷し名誉毀損したとして、2023年10月16日までに水原氏を含め4人を相手取り計2,260万円の損害賠償請求訴訟を提起したと明らかにしました。

裁判における仁藤夢乃氏への尋問、回答の様子

裁判は厳重な警備の上、虚偽を話さず誠実に回答する仁藤氏の宣誓から始まりました。

まず、原告側の弁護士によって本件に関する事実確認の尋問が行われました。

「どのような思いで裁判を起こしたか?」という質問があり、「私(仁藤氏)も10代の頃、路上を彷徨っていたり、段ボールを敷いて寝ていたこともあります。女性が性被害や買春、暴力の矛先にならないように支援していける場所を提供していきたい」という思いを語り、Colaboの活動が問題ないことを社会へ伝える姿勢を示しました。

原告側の弁護士の質問後、被告側の弁護士による反対尋問が行われました。

・シェルター(シェアハウス)に複数人を住まわせていたか
・65,000円の家賃を徴収していたか
・生活保護を受けていた女性の収入状況を把握していたか
・生活保護を受けていた女性に収入があった場合、役所へ申請をしていたか
・なぜ仁藤氏が記者会見を開いたり、取材を受けていたか
などに焦点を当てた質問がなされました。

被告側の弁護士からの反対尋問の時間では、原告側の弁護士から「異議あり!本件とは関係ないことでしょう」と何度か声が上がり、白熱するシーンも見受けられました。
仁藤氏は、被告側の弁護士からの質問に対して毅然な態度で回答していました。

「(本件を通じて)支援が必要な女性の帰る場所がなくなったり、社会に対して信用できなった女性と地道に信頼関係を紡いできたのにColaboに対する信頼を失ってしまった。支援を必要とする女性がいるにも関わらず、つながりにくくなってしまった」と仁藤氏は話しました。

今回、出廷しなかった水原氏本人からの主張も気になります。

次回、2024年4月16日11時から最終弁論が開かれます。

(2024年4月16日追記)
2024年4月16日の最終弁論の様子は下記記事でお読みいただけます。

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