
米国のAppleは1月24日、自社の自動運転車プロジェクトの目標を見直し、電気自動車(EV)の発売を2028年に延期すると発表したことが判明しました。もともと完全な自動運転機能を備えた車両の開発を目指していましたが、現在はその目標を縮小し、限定的な機能を持つEVの開発に注力しています。
この変更に伴い、新型EVの発売時期も予定より約2年遅れ、早くて2028年になる見込みです。アップルの広報担当者は、この計画に関してコメントを控える姿勢を見せています。
本プロジェクトは「Titan」や「T172」というコードネームで呼ばれており、責任者の交代や戦略の変更が相次いだことで、プロジェクトの遅延に繋がったようです。
2022年12月時点でのAppleの計画は、2026年までに高速道路でも使用可能な高度な自動運転機能を備えた車を市場に投入するというものでした。しかし、Appleは高度な自動車を近い将来に完成させることはできないと判断し、自動運転技術のレベルを「レベル4」から「レベル2+」に引き下げました。以前はより高度な「レベル5」を目標に掲げていました。
Appleは当初、「レベル5」のEVを2025年に発売予定だった
元々Appleは、場所を問わず完全自動運転を実現する「レベル5」のEVを2025年に発売することを目指していました。しかし、ブルームバーグの報道によると、2022年12月の時点で技術水準を「レベル4」に下げ、発売目標を2026年へと変更しました。
さらにAppleは現在、「レベル2+」へと区分を引き下げる方針です。この自動運転レベルでの運転主体はドライバーであり、常に運転操作を引き継げる状態にあることが求められます。
Appleの自動車は、かつてはハンドルもペダルもないデザインを想定していましたが、現在はそのアイデアすらも棚上げしています。また、緊急時に車を遠隔で制御するリモートコマンドセンターの設置計画も、今回の自動運転レベルの引き下げにより、当面は必要なくなったようです。
同社は欧州の製造パートナーとこの新方針について協議を進めており、市場に初期モデルを投入した後、システムを「レベル4」に改良し、当初の目標に近づける考えです。ブルームバーグの関係者は、「Appleの社員は、この戦略転換がApple Carにとって極めて重要な局面になると考えている」と報じています。