第96回アカデミー賞、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞

3月11日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された第96回アカデミー賞授賞式にて、宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞しました。これは宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶりの快挙です。
宮崎駿監督にとって10年ぶりの長編アニメ作品である本作は、菅田将暉氏や柴咲コウ氏、あいみょん氏などの豪華キャストが声を担当し、米津玄師氏による主題歌「地球儀」が話題を呼びました。また、一切のプロモーションを行わないまま公開された点も、大きな注目を集めました。
この作品は、宮崎駿監督が少年時代に読んだ吉野源三郎氏の著書からタイトルを借りたオリジナルストーリーで、その内容とメッセージが世界中で高く評価されました。英アカデミー賞やゴールデングローブ賞を含む複数の国際賞を受賞し、アニー賞では絵コンテ賞とキャラクターアニメーション賞で2冠に輝くなど、その芸術性と技術の高さが認められています。
最大のライバルとされていた『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を退けての受賞は、宮崎駿監督の不朽の才能とアニメーションへの深い愛情を改めて世界に示した瞬間でした。
プロデューサー鈴木敏夫氏「心の底からうれしかった」
宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞したことについて、映画のプロデューサー鈴木敏夫氏は、宮崎駿監督がアトリエで受賞の瞬間を見守り、「発表前は、『日本男子としてうれしい顔を見せてはならない』と言っていました。受賞後、電話で『おめでとうございます』と伝えたら、『お互いさまです』と言われました」と語りました。
鈴木敏夫氏はこの受賞を心から喜び、「オスカー像は注文すれば作ってくれるので3個注文しました」と話し、作品がアメリカで特に受け入れられたと分析しました。また、宮崎駿監督の今後についても言及しており、「宮崎監督は衰えをしらない。僕の本心では、もう一度長編映画を作るのは簡単ではないので、監督には、短編を作ってほしいと話しています」とコメントしています。
主題歌「地球儀」を手掛けた米津玄師氏も、「アカデミー賞、長編アニメーション賞おめでとうございます。偉大な作品に関われたことを誇らしく思います。」と、自身のXアカウントで受賞を祝福しました。
ネット上では、「宮﨑監督の最高傑作じゃないかなと思います」「今回の受賞は感慨深いものになりました」「このスタイルでもう一本、作ってほしい」などの意見が寄せられています。