経済産業省、新たな国産旅客機の開発計画を発表 2035年ごろを目標 MSJの教訓活かす

「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の初飛行から約9年が経った今、経済産業省は3月27日、2035年ごろを目標に新たな国産旅客機の開発を推進する計画を発表しました。この動きは、三菱重工業が手を引いた「三菱スペースジェット(MSJ)」の教訓を活かし、今後は単一企業ではなく複数の企業が連携して開発を進める方針を示しています。

経済産業省は技術基準の設定や材料の安定供給など、幅広い支援を提供することを明らかにしました。岩田和親経済産業副大臣は、「部品サプライヤーの地位に満足せず、主体的に付加価値を提供できる存在として産業を変革する」と述べ、MSJプロジェクトから得た知見と経験を次のステップに活かす重要性を強調しました。

MSJプロジェクトは経済産業省から500億円の支援を受けながらも、2023年に開発が中止されています。その失敗の原因としては、安全認証の取得への不十分な理解、海外事業者との対応経験の不足、市場環境の変化、研究開発支援の不足が指摘されています。

今回の開発計画の発表に対し、ネット上では「前回のMRJと同様にろくなことにならない、また出遅れて頓挫するのは目に見えてます」「総論としては悪くない話だと思う」「貴重な教訓を得て体制も変えて臨むようですから期待ができます」など、さまざまな意見が寄せられています。

今後10年で合計5兆円の投資 水素エンジンの旅客機の開発も視野

新たな戦略では、官民で10年間にわたり合計5兆円を投じる計画であり、現在のジェットエンジン主流の市場に加え、将来的には水素エンジンを用いた旅客機の開発も視野に入れているとのことです。開発には三菱重工のような大手製造業者はもちろん、部品製造業者や水素エンジンの開発で先行する自動車メーカーなどが参加する想定です。

さらに、海外の航空機メーカーからも技術ノウハウを学ぶ方針です。政府支援は技術の国際規格化、材料調達の支援、試験方法の確立など、より広範囲に及ぶとされています。また、財源としては「GX(グリーントランスフォーメーション)経済移行債」が中心となります。

航空業界では、航空機をサプライチェーンの頂点に置き、部品製造の競争力向上や脱炭素素材への需要増加に応える戦略が重要とされています。この新たな戦略により、日本の航空業界は次の大きな一歩を踏み出すこととなるでしょう。

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