大阪大発のクオリプス社、6月にiPS細胞の心筋シートを厚生労働省に承認申請

大阪大発のスタートアップ企業であるクオリプス社(CUORiPSは、世界に先駆けてiPS細胞から作成した心筋シートの製造販売承認申請を、早ければ6月にも厚生労働省に提出する予定です。iPS細胞由来の医薬品としては世界初の承認申請となり、認可されれば日本が再生医療分野で先行することになります。

クオリプスの心筋シートは、心筋梗塞や狭心症などで心臓の筋肉が正常に機能しなくなった虚血性心疾患の治療に用いられます。これまで、最高技術責任者の澤芳樹特任教授が40年近く研究を重ねてきました。

医師主導の臨床試験では、患者8人に心筋シートを移植し、良好な結果が得られています。心臓機能が大幅に改善したケースも報告されました。

虚血性心疾患が進行すると、心臓移植や補助人工心臓の処置が必要となりますが、心筋シートは内視鏡で傷んだ心臓に貼り付けるだけなので、患者の負担が軽減され、手術時間も短縮できます。

日本における虚血性心疾患の患者数は2020年時点で約72万人、世界では2億4,000万人以上と推定されています。政府は2014年に条件及び期限付き承認制度を設け、治験の一部を省略することで再生医療の早期実用化を後押ししています。

クオリプス社とは?2023年に東証グロース市場に上場

スタートアップ企業のクオリプス社は、条件付き承認制度を活用し、2025年のiPS細胞由来の心筋シートの仮承認取得を目指しています。同社の草薙尊之社長は、「25年の仮承認取得を目標としている」と述べました。

iPS細胞を用いた医薬品の研究開発は国内外で盛んに行われており、海外ではフェイト・セラピューティクス社やサイナータ・セラピューティクス社が、国内では住友ファーマ株式会社などが実用化に向けて開発を進めています。

クオリプス社は2017年に創業し、第一三共株式会社やテルモ株式会社、三菱商事株式会社などから出資を受けています。2023年には東証グロース市場に上場を果たしました。虚血性心疾患だけでなく、他の病気に対する臨床試験も準備中とのことです。

日本では医薬品の価格が国によって決められますが、心臓移植や人工心臓の手術には1,000万円以上のコストがかかることが多く、細胞医薬品も同程度の高額な薬価が設定される傾向にあります。

心筋シートも手術費用と同等かそれ以上の価格になる可能性が高いとのことですが、高額療養費制度によって患者の自己負担は抑えられる見通しです。今後のクオリプス社の動向、そしてiPS細胞製品の価格についても注目が集まります。

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