テレワーク実施による睡眠時間の延長が判明 2022年版「過労死白書」の調査内容
- 2022/10/21
- マネー・ライフ
- テレワーク, 厚生労働省, 過労死等防止対策白書
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21日、政府は2022年版の「過労死等防止対策白書」を閣議で決定しました。2022年版の白書では、新型コロナウイルス感染症によって推進された、テレワークに関する調査結果が報告されています。
その調査結果として、睡眠時間が短いとうつ傾向や不安を抱える割合が多いとし、その上でテレワークの頻度が高いほど睡眠時間が長く、出社とテレワークの適度な組み合わせによって幸福感が得られると分析しています。
調査は全国1万人が対象であり、1日平均の睡眠時間が6時間以上と回答した割合は、テレワークを毎日行っている人が66%、週に一度も行っていない人が54%でした。つまり、テレワークを適度に導入すると、毎日の睡眠時間が延長されることが今回の調査で判明したのです。
テレワークは社員同士が直接顔を合わせることが少なくなるため、仕事に対するモチベーションや生産性に関して疑問視されることも多いですが、厚生労働省の担当者は「テレワークにはいろいろなメリットがある」と指摘しています。
働く側のテレワークによるメリット・デメリット
テレワーク導入に対する意見は賛否両論です。働く側はテレワーク実施においてメリットもありますが、反対のデメリットもいくつか考えられます。
【テレワークのメリット】
- 通勤が不要になり心身の負担が軽くなる
- 家族と過ごす時間が増えて幸福度が増す
- 育児や介護と仕事を両立できる
- 仕事と私生活の時間をバランスよく確保できる
- 新型コロナウイルスなどの感染症にかかりづらくなる
【テレワークのデメリット】
- ほかの社員との交流が少なくなる
- 仕事とプライベートの線引きが難しくなる
- 仕事に対する姿勢が評価されづらくなる
- 通勤がなくなるため慢性的な運動不足に陥る
- 集中力が保てず生産性が落ちる
企業側のテレワークによるメリット・デメリット
テレワークの導入は、あくまで企業側の判断によって決定します。働く側だけでなく、企業側のメリット・デメリットも見ていきましょう。
【テレワークのメリット】
- 社員のモチベーションアップを図れる
- 毎月支給する交通費を削減できる
- 顧客満足度の向上に期待できる
- 新たな人材確保につながりやすい
- 事業の継続性を確保できる
【テレワークのデメリット】
- 社員一人ひとりの勤怠管理が難しくなる
- セキュリティリスクが高くなる
- 社員とのコミュニケーションを取りづらくなる
- 新たな機材コストが生まれることがある
- 部下のマネジメントや評価がしづらくなる
2022年版の白書にてテレワークの調査が実施され、テレワーク実施による睡眠時間の延長効果が判明しました。確かにテレワークを実施することで、働く側と企業側の両方に利点があるのは事実ですが、その反対のデメリットも決して無視できません。
それぞれの企業や環境に応じた柔軟な対応が、今後テレワークを実施する上で重要になると言えるでしょう。