中国の人口が減少し、世界最大の人口大国をインドに譲った可能性が浮上しています。14億人という莫大な人口を誇っていた中国ですが、産児制限の影響で少子高齢化が止まらず、2022年末の人口は61年ぶりに前年末を下回りました。
中国の国家統計局は2023年1月17日に、2022年末時点の人口は14億1,175万人で、前年から85万人減少したと発表。出生数は956万人と、前年から107万人減っています。出生数が1,000万人を下回ったのは、1949年の建国以来初めてだとされます。
その一方で、死亡数は1,041万人と、前年から27万人増加しました。死亡数は2021年、2022年と2年連続で高い伸びとなっています。
中国で問題視されているのは、人口の減少だけではありません。日本と同様に、中国でも少子高齢化が深刻化しており、65歳以上の人口は2億978万人と、高齢化率が14.9%となりました。この数値は、国連統計に基づく推定よりも速いペースで進んでいるとされます。
さらに15~65歳の生産年齢人口は、2013年の10億1,041万人をピークに減少が続いています。なお、国連によるインドの推定人口は14億1,200万人なので、人口が14億1,175万人の中国は首位から脱落し、インドが世界最多となった可能性が高いです。
中国の出生数が減少している原因
今回、中国の出生数が減少した原因については、妊娠適齢期女性の減少や初婚・初産年齢の上昇、新型コロナウイルス感染拡大の影響などが考えられています。また、子育てのコストが高すぎること、さらには一人っ子政策の副作用とも言われています。
出生数の減少や少子高齢化が進むことにより、今後30年、中国は労働力が減少し、貯蓄率の低下などが経済成長を引き下げ、消費構造の変化によって不動産業などの長期的な成長力が弱まると予測されています。
しかしこれは中国だけに限らず、少子高齢化が加速している日本にも該当する問題です。現時点でも日本は少子高齢化が問題視されていますが、今後さらに加速し、2045年には65歳以上の人口が約37%を占めると言われています。
また日本の総人口は、総務省統計局の人口推計を見れば、年々減少していることが明らかです。2023年1月1日時点での総人口は1億2,477万人で、前年同月に比べて約53万人も減少しています。
そのため今回の中国における人口減少については、日本でも同じような問題が起こっているのだと、改めて認識しましょう。