米シリコンバレー銀行の経営破綻が影響し、スイスの銀行クレディ・スイスが経営難に追いやられていました。16日時点では、危機が和らぐ兆候はほとんどなく、社債のディストレス状態は深く進行。
社債のデフォルトに備えるコストの上昇や、株価の下落などが相次ぎ、経営破綻のリスクが危惧されていました。
スイス国立銀行から最大500億スイス・フラン(約7兆1,800億円)を調達する用意があると発表したあと、株価は一時的に約40%上昇しましたが、その後上げ幅を半分以下に縮小し、19.2%高で取引を終えました。
経営難に追い込まれたクレディ・スイスは、社債最大約30億フラン相当を公開市場で買い戻す提案を行ったものの、世界のクレジット市場でパフォーマンスが再度最も低下し、重大な疑念を示唆する水準で取引されています。
クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクの会長は、「何も問題はない」と発言しました。しかし15日のこの発言により、クレディ・スイスはさらなる株価急落を引き起こします。
スイス金融大手UBSがクレディ・スイスの救済に合意
スイス金融大手のUBSは19日、経営難に陥っているクレディ・スイスの救済に合意しました。経営破綻を回避する目的で交渉が行われ、UBSが約30億スイスフラン(約4,300億円)で買収することで合意したと発表。
スイス国立銀行は、この合意は金融市場の信頼回復、そして経済へのリスク管理をするための最善の方法だと考えており、「この例外的な状況において金融の安定を確保し、スイス経済を保護するための解決策が見つかった」と述べました。
連邦政府はUBSのリスクを抑えるため、90億スイスフラン(約1兆3,000億円)の潜在的損失に対する保証を付与するとしており、加えてスイス国立銀行も、最大1,000億スイスフラン(約14兆円)の流動性支援を提供すると表明しています。
19日の合意によると、UBSはクレディ・スイス株を1株あたり0.76スイスフラン(約108円)で取得するとのことです。なお、買収は年内に完了する見通しです。
この件についてネット上では、「スイス三大銀行がここまで落ちたか」「UBSの買収がなければ、クレディ・スイスは確実に破綻していたな」「クレディ・スイスに拒否する選択肢はない」などの意見が寄せられています。今後のクレディ・スイスとUBSの動向に注目が集まります。