韓国で大人気を誇る中国の大手ビール会社「青島ビール」に関連する動画が投稿され、SNSで波紋を呼んでいます。その動画では、中国・山東省青島市にある青島ビールの工場で働く作業員がビールの原料に放尿する様子が映されています。
会社はすぐに工場を閉鎖して「内需用」と説明しましたが、炎上の勢いは止まらず、現在も話題となっています。問題となった動画では、ヘルメットや作業服を身に着けた男性が工場のフェンスを乗り越えたかと思うと、急に放尿を開始。周囲を警戒しながら放尿をしている様子でした。
動画の公開を受け、青島ビールは該当工場を速やかに閉鎖。さらに「中国公安に通報し、公安機関も捜査に着手した」とした上で、「放尿したビールの原料は全て封印し保管中」とコメントを発表しました。
青島ビールは1903年の設立以来、中国の4大ビールメーカーとして知られていますが、この事件によりそのブランドイメージに疑問が投げかけられています。韓国の輸入企業も迅速に対応に乗り出し、「事件が発生した工場では中国国内向けのビールだけを製造している事実を確認した」と説明し、続けて「現在韓国に輸入されている青島ビールはこの工場とは関係ない」との事実を明らかにしました。
この事件を受けてネット上では、「これは恐らくは常習的に行われてきたことでしょう」「中国らしくて好感が持てますね」「今まで中国の衛生管理がしっかりしてると思ってた人は考え直した方がいい」などの意見が寄せられています。
青島ビールの株価が大暴落 「(中国のビールは)飲まない」
青島ビールの工場内で作業員が放尿する動画による騒動の後、青島ビールの株価は大幅に下落しました。
中国のネット上では、動画の公開が企業イメージを傷つける意図があったのではないか、という憶測が飛び交っています。中国の主張に沿って発信することで知られる論客は「動画が撮られたことは企業に対するテロ攻撃に近い」との立場を取り、「企業の安全管理はますます複雑になっている」と安全管理の複雑化を指摘しています。
一方、海外からのビール輸入量で中国が3位の韓国では、この件に対する反応も大きい様子です。「(中国のビールは)飲まないと思います。中国製品について衛生に関する話題が何度かあったので、敬遠されると思います」とソウル市民が語る一方、別の市民は「他のメーカーでもそんなことが起きそうで、どうしても中国製は少し避けることになりそうです」とコメントしています。
この件に対して韓国政府は、問題の工場からのビールは国内に持ち込まれていないとして、国民の不安を和らげる声明を出しました。