新宿矯正展とは?刑務所で作られた製品が多数販売!主催の府中刑務所についても紹介

新宿矯正展

<目次>

新宿矯正展とは?

新宿矯正展

新宿矯正展とは、全国の刑務所で受刑者が製作した刑務所作業製品の展示即売会です。例年、2月と8月の年2回行われていましたが、近年はコロナ禍により開催が見送られてきました。そして令和5年(2023年)8月、およそ3年ぶりに行われることとなった新宿矯正展。その内容について、詳しく紹介します。

新宿矯正展の目的

有罪が確定した受刑者が収容されている施設という特性上、刑務所は一般社会から隔離されているような印象を受けるでしょう。刑務所では、更生を促すためにさまざまな矯正処遇を受刑者に対して行っていますが、その様子はなかなか外からは見えにくいです。

また、刑期を終えて出所した後、社会の中で生きづらさを感じてしまう元受刑者は決して少なくありません。「刑務所帰り」という経歴が悪いレッテルとなり、生きづらさがエスカレートすると再犯を繰り返してしまう可能性があります。

受刑者が刑務所の中でどんな作業に日々従事しているのか、わかりやすく伝えるために行われているのが矯正展です。布製品、革製品、靴、カバン、印刷製品、木工品…どの製品も非常に質が良く、丁寧な作業の様子が伝わってきます。

新宿だけでなく、全国各地で定期的に開催されている矯正展。刑務所の取り組みを一般市民が理解し、出所した人々も含め、1人でも多くの人が生きやすいと思える社会を作るために、大きな想いをもって矯正展は開かれています。

新宿矯正展はどんな内容?

新宿矯正展は、東京・府中市にある府中刑務所が主催で行われています。また、府中刑務所のみならず、全国各地の刑務所で作られた製品が一挙に集結し、1週間ほど開催されるイベントの中で展示・販売されます。

小銭入れやティッシュケースなどの日常使いができる小物のほか、子どもが喜ぶようなお絵かき帳やノートなどの紙製品、タンスやソファといった大型家具など、見ているだけでも飽きることのない多種多様な製品ラインナップが大きな魅力です。

令和5年(2023年)の新宿矯正展の様子

新宿矯正展の様子

新型コロナウイルスの影響でしばらく休止されていた新宿矯正展ですが、令和5年(2023年)は約3年ぶりに開催されました。

【日程】
8月3日(木)12:00〜20:00
8月4日(金)〜8月8日(火)9:00〜20:00
8月9日(水)9:00〜16:00

【場所】
新宿駅西口広場イベントコーナー

久しぶりの開催となった令和5年度(2023年度)の新宿矯正展の様子について、イベントレポート形式でお届けします。

高品質なのに格安!刑務所作業製品の販売

刑務作業品のポーチ等

布製品、革製品、木工品、金属製品、食品など、さまざまなジャンルの製品が種類豊富に販売されていました。どの製品も質が良く、同等レベルのものを一般市場で手に入れようとすると値が張ることがありますが、価格設定が破格な品も少なくありません。

府中のラグビーチームとのコラボバッグ

「矯正展でしか買えない」そんな製品も数多く揃っていました。府中の公式ラグビーチーム・東芝ブレイブルーパス東京と東京サントリーサンゴリアスとのコラボレーションで生まれたトートバッグは、目玉商品として新宿矯正展のポスターにも掲載されています。しっかりとした素材感のバッグで、見た目以上に容量も大きいため使い勝手に優れていることが想像できます。

横浜刑務所のブルースティック

例年の矯正展でも大人気だという、衣類用洗剤のブルースティック。洋服のほか、靴の汚れ落としなどにも使える洗剤です。市販の洗剤ではなかなか落ちない黒ずみや、襟元などの黄ばみ、食べこぼしのシミなどに効果的。まとめ買いをする人も少なくないほど人気であるため、売り切れてしまうことも多いようです。ネット通販などでも販売されていますが、矯正展の方がお得に購入できます。

横浜刑務所で作ったパスタ

“刑務所発”ならではのユニークな製品も多数。インパクト大な商品名が特徴的な「横浜刑務所で作ったパスタ」は人気商品のひとつでもあります。茹でる際の塩入れが不要で、モチッとした食感がポイント。うどんやそうめんなど、他の麺類もさまざまな種類があり、夏という季節柄、よく売れているようでした。

家具などの大型製品の展示も多数!

刑務作業品の家具

タンス、ソファ、テーブル、椅子、仏壇など、さまざまな大型家具も新宿矯正展では展示・販売されています。「予約済み」のラベルが貼られているものも多数見受けられ、実際に購入している人が多いこともうかがえました。

希少な屋久杉を使用した一枚板

使用している資材も高品質なものばかりで、特にイチオシだとスタッフの方からおすすめされたのが、希少な屋久杉を使用した一枚板。屋久杉は入手が非常に困難で、以前購入した資材から加工して作られた製品とのことでした。一般市場のおよそ半額という破格の値段で販売されています。木目や形がすべて異なり、ひとつとして同じものがない一点物で、大量生産される製品にはない独自の趣が漂っています。

来場者の声

刑務作業品の革靴

平日・土日ともに人の往来が絶えない新宿駅。新宿駅西口広場イベントコーナー付近も同様で、多くの人々が新宿矯正展に訪れました。矯正展が開かれていることをあらかじめ知っていて、買い物目的で来場した方や、近くを通りかかった際に気になって立ち寄ってみた方など、老若男女さまざまな人々で賑わいを見せていました。

来場者の方にお話を伺ったところ、たまたま立ち寄ってみた方などは、「バザーやフリーマーケットのようなものかなと思った」など、刑務所主催の即売会であることは知らないようでした。かたや、「安くて良い物が買えるから、以前はよく新宿矯正展に来ていた。ここ数年はやっていなかったと思うが、今年は久しぶりに開催されて嬉しい」と、この催しを楽しみにされている方もいました。そのほか「家族から頼まれて来た」といった方など、矯正展ならではの商品の魅力が一般市民に広がっているという事実もうかがえました。

新宿矯正展を主催する府中刑務所について

府中刑務所
(引用:法務省_府中刑務所 https://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei05_00080.html

新宿矯正展は、府中刑務所が主催で行われています。最後に、府中刑務所の概要について紹介します。

府中刑務所の所在地

 〒183-8523 東京都府中市晴見町4-10

JR武蔵野線・北府中駅から徒歩10分です。あるいは、JR中央線・国分寺駅/京王線・京王府中駅からバスに乗り、晴見町で下車して徒歩5分で着きます。

府中刑務所の収容人数

収容定員は2,668人ですが、近年は受刑者数が減少傾向にあり、実際に収容されている人数は定員をかなり下回っています。令和3年(2021年)のデータだと、1日平均収容人員は1,723人です。ただ、過去には3,000人を超える受刑者を収容していたこともあるなど、刑務所の規模としては日本最大といわれています。

府中刑務所の沿革

府中刑務所のルーツは、江戸時代・寛政2年(1790年)までさかのぼります。老中・松平定信が当時行っていた寛政の改革の一環で、墨田川河口に石川島人足寄場を設置しました。この場所は、元罪人など、手に職がない人々にさまざまな技術を習得させ、社会復帰を促すための更生施設です。手厚い就労支援を行うことで、再犯の抑制にも自ずと繋がりました。また、この人足寄場は元罪人だけでなく、親から勘当された人や故郷を離れた人も受け入れていました。

明治を迎えると、犯罪者収容施設に形を変えていき、名前も「石川島監獄」に改称されます。現代の刑務所と同様、刑を執行する場所となりました。その後、場所を石川島から巣鴨に移転し、名前も巣鴨監獄、巣鴨刑務所と変わっていき、昭和10年(1935年)に現在の府中刑務所へと再移転しました。

府中刑務所の収容対象・主な罪名

刑期10年未満の犯罪傾向が進んだ日本人受刑者や、外国人受刑者、身体・精神疾患者が収容対象です。また、身体・精神疾患者は、刑務所内にある医療重点施設に収容されます。また、覚醒剤等の薬物所持・使用や、強盗、窃盗、詐欺などが府中刑務所の主な罪名です。

府中刑務所の矯正処理(改善更生および再犯防止のための取り組み)

府中刑務所では、受刑者が健やかに更生して社会復帰できるよう、さまざまな矯正処理を行っています。受刑者は入所後、刑務所内にある工場や倉庫にて、木工・印刷・洋裁・金属・革工など、多岐に渡る分野の作業に従事します。この作業の中で作られた製品が、全国各地で開催されている矯正展などで販売される商品です。このような生産作業のほかにも、炊事・洗濯・営繕といった自営作業、自動車整備等の職業訓練、福祉施設等での社会貢献作業も矯正処理の一環として行われます。

また、より円滑な社会復帰を促すために、出所の3ヶ月前には就労可能かつ就労意欲のある者を就労支援対象者として選出し、専門スタッフによるガイダンスや面接指導に力を入れています。出所前に雇用主との採用面接も行い、令和2年は10名、令和3年は11名の就職内定者を送り出しました。

このように、府中刑務所では受刑者の改善更生を全力でバックアップしており、再犯防止の徹底に努めています。

なお、令和5年(2023年)11月3日(金)には、府中刑務所でも文化祭が開催されます。
こちらも、刑務所作業製品即売コーナーや刑務所内見学などの体験コーナーがありますので、ご興味のある方は足を運んでみてください。

第42回府中刑務所文化祭について詳細はこちら↓
https://www.moj.go.jp/kyousei1/kyousei08_00101.html

刑務所・矯正展の関連記事

受刑者等専用求人誌「Chance!!」(チャンス)の広告バナー

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 米テスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は23日、投資家向けの電話会議で開発中のヒ…
  2. トヨタ自動車が発表した2023年度のグループ全体の決算で、営業利益が5兆3,000億円に達し、日本の…
  3. 花粉症が嫌われる理由は多くの人にとって明白ですが、意外な利点があることが最近の研究で明らかになってい…

おすすめ記事

  1. 2024-3-7

    伊藤忠商事がビッグモーターを買収 「ビックリモーター」など新社名の予想始まる

    伊藤忠商事がビッグモーターの買収に向けて、企業再生ファンドと手を組んだ契約を締結したことが明らかにな…
  2. 2023-11-9

    NASAがボイジャー2号のソフトウェアを更新 探査機までの距離はおよそ193億km

    NASAは長期間にわたり宇宙の深遠へと旅しているボイジャー2号の最新の状況を公表しました。ボイジャー…
  3. 「血液型って4つだけ?組み合わせによって種類は数百万」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-3-27

    血液型って4つだけ? 組み合わせによって種類は数百万

    お父さんの血液型がAB型、お母さんがO型。お子さんがO型ってことあるの?血液型は4つしかないの?私た…

【募集中】コンテスト

第5回ライティングコンテスト(東京報道新聞)

【結果】コンテスト

東京報道新聞第4回ライティングコンテスト (結果発表)

インタビュー

  1. ゴミ収集車の死亡事故による呼び捨てでの実名報道で訴訟を起こした品野隆史氏
    現在メディアでは、事件に関して疑いのある人の実名報道では「容疑者」を呼称でつけていますが、1989年…
  2. 青森県で協力雇用主として出所者の社会復帰を目指して雇用する企業「有限会社松竹梅造園」代表の渡辺精一様
    協力雇用主とは、犯罪や非行をした者の自立や社会復帰に向けて事情を理解したうえで就職先として受け入れる…
  3. 青森刑務所で受刑者に講話を行った受刑者等専用の求人誌「Chance!!」編集長・三宅晶子氏
    三宅晶子氏(株式会社ヒューマン・コメディの代表取締役)は、日本初の受刑者等専用求人誌「Chance!…
ページ上部へ戻る