『ゴジラ-1.0』がアカデミー視覚効果賞を受賞 アジア作品として初めての快挙
日本時間11日に開催された第96回アカデミー賞授賞式で、『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』が視覚効果賞を受賞し、アジア作品として初めての快挙を成し遂げました。この作品は、戦争と核兵器の象徴であるゴジラをテーマとしており、山崎貴監督は受賞後の記者会見で「ゴジラを何とか鎮める話。鎮めるという感覚を世界が欲しているのではないか」と述べました。
山崎貴監督はゴジラのフィギュアを持ち、スタッフ3人と一緒に会見場に登場し、ゴジラのデザインについて「見るだけで恐怖が分かるようにした」と語っています。今年の米アカデミー賞では、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』が7部門を受賞し、ノーラン監督は「絶望するのではなく、核の数を減らすため政治家や指導者に圧力をかけようと活動している組織に目を向けることがとても大切だ」と、核削減のための活動の重要性を強調しました。
山崎貴監督の今後の野望 「いろんな意味で可能性が広がった」
アカデミー賞の帰国会見で、山崎貴監督はオスカー獲得後の感想を語りました。「(オスカー像は)想像をはるかに超える重さでびっくりした。けっこう緊張していたが、一瞬それを忘れるぐらいの重さだった」とコメントしました。
また、この作品が日本作品として初めて視覚効果賞を受賞したことについて、俳優の浜辺美波氏も駆けつけて祝福しました。浜辺美波氏が「本当におめでとうございます。私も拝見していて、まさか選ばれたときにびっくりして、皆さんの喜んでいる表情と監督の素晴らしいスピーチが本当に…」と話したのに対し、山崎貴監督は「うるさいわ。ほんとやめてそれ」と冗談を返し、会場を和ませました。
山崎貴監督は今後の映画制作に対する野望も明らかにし、「日本人のキャストしか出ていなくても、北米で観られるようになってきているというのは確実に感じられた。そのことはすごくいいことだし、そこまで見据えた作品づくりをすれば製作費ももっと潤沢にしていけると思う」と述べ、ワールドワイドな興行を目指した作品づくりに意欲を見せました。
アカデミー賞の授賞式翌日、ロサンゼルスが喜びの声に包まれる
アカデミー賞の授賞式翌日、ロサンゼルスでは『ゴジラ-1.0』が日本映画として初めて視覚効果賞を受賞した喜びに包まれました。厳重な警備が解除された会場周辺では、多くの観光客が行き交い、大勢の人たちが「ゴジラ」のプレートの前で写真を撮影し、受賞を祝福していました。
祝福の声には、「アカデミー賞の受賞おめでとうございます」や「5歳の頃からずっとゴジラを見てきました」といったコメントが含まれています。また、ロサンゼルスのリトルトーキョーにある日本の映画やアニメ関連の商品を販売する店では、歴代のゴジラの人形やポスターが展示され、朝から多くのファンが訪れて記念撮影をしていたとのことです。店を営む日本人女性は受賞の瞬間を夫と共に見ており、「感動で涙が出た」と語っています。