DMMグループのDMM Bitcoin社から、約482億円相当のビットコインが流出したことが明らかになりました。同社は5月31日午後1時26分頃に、不正流出を検知したと発表しています。
この事態を受け、DMM Bitcoin社は新規口座開設の審査や暗号資産の出庫処理などのサービスを一時的に停止しました。また、顧客の流出分についてはグループ会社の支援を受け、全額保証する方針を示しています。
金融庁は報告を受けて原因究明を指示し、警視庁も同社から相談を受けて経緯を調査する方針です。ビットコインは今年3月に過去最高値を更新するなど人気が高まっていました。
過去には、2014年にマウントゴックス社から480億円相当が、2018年にはコインチェック社から580億円相当のビットコインが流出しており、今回の事案はそれに次ぐ規模とみられています。
仮想通貨をめぐる不正流出は海外でも後を絶たず、セキュリティ対策の強化が急務となっています。DMM Bitcoin社の被害状況や原因については現在調査中とのことです。
ネット上では、「信頼性を損なう事案」「いったいどんなずさんな管理してたの?」「ネット資産はこれがあるから怖いよね」などの意見が寄せられています。
DMM Bitcoin社とは?過去の不正流出事例
DMM Bitcoin社は、動画配信やゲームなど多岐にわたる事業を手がけるDMMグループの暗号資産交換業者で、2016年11月の設立以来、着実に事業を拡大してきました。
同社は2017年12月に関東財務局から暗号資産交換業者として登録を受け、翌年1月から本格的に業務を開始。2023年3月末時点では、役員4人を含む62人の従業員を雇用するまでに成長しています。
しかし、昨年3月期の決算では最終損益が15億3,600万円の赤字に。さらに、2023年3月末の会社資産のうち、顧客から預かっている暗号資産は310億4,700万円に上ることが明らかになりました。
暗号資産の不正流出は、DMM Bitcoin社に限らず業界全体の課題です。2014年のマウントゴックス社によるビットコイン消失、2018年のコインチェック社からのNEM流出など、大規模な被害が相次いでいます。また、2019年にはビットポイントジャパン社から大規模な流出が発生しました。
金融庁は利用者保護のため取引所への監督を強化し、業界団体も内部管理体制の整備に努めてきましたが、DMM Bitcoin社からの約482億円相当のビットコイン流出は、暗号資産業界の信頼をさらに揺るがしかねない事態といえるでしょう。